他人の過去 - 桜庭対秋山戦のレフリー氏へ

エゴサーチ」なんてのがドラマに登場したりと、自分を含めた身近な人について、ネットで情報収集は当たり前になりつつある。採用時などにも、その人の過去について検索するのが既にアメリカでは当たり前。日本でもやっている人が多いだろう。
ネットにかかれた情報の真偽は謎だ。「そのひと」はワンアンドオンリーながら、同姓同名やら、誤った情報やらが混在しているのも事実。すべてを信用するのはなしにして、参照情報としては妥当なものだろう。

2006年年末、なんだか胸がすっきりしない出来事があった。格闘ファンというほどでもないのでおこがましいが、あの桜庭対秋山戦だ。あんなにしつこく怒っているサクは初めてみたし、雰囲気も異様だった。サクが叫んでいたのは一点、「滑るって」。

その後、レフリーの梅木氏のブログは炎上。といろいろありましたが、Wikipediaや、こちらのブログを見て、もろもろ愕然としました。

道家時代にも柔道着がすべると、一度のみならず度重なる抗議を受けていたこと、そしてどこまでがリップサービスかは別にして、自らバラエティ番組で、勝ちやすくするために滑りやすくしていると発言していたという情報。

おそらく事前の選手の人名で検索をかければ、それまでの戦績をはじめ、風評は、特筆するべき事件があれば知ることができるはずだ。人事担当者が志望者を検索して情報を集めるのと同様に、レフリーが翌日担当する試合の選手について、インターネットで情報収集をしたっていいのではないでしょうか。
ましてや自らブログを記すほどにネットを身近に使っていた人物なら、そんな期待をどうしても抱いてしまう。すいません。

そこで知る情報が事実かどうかは、だれも保証してはくれない。そもそも知らなければならない情報なんて存在しない。知りたい情報について、人は意志をもって探し、自分の基準をもって判断するのだ。ある人にとっては事実とうつることが、別の人にとっては虚偽にうつることだって多々ある。そんなことは、ネット上の情報に限らずよくあることだ。
ちょっと脱線しますが、インターネットは個人の過去を露呈するのに悪い意味で一役買っている、なんて意見もありますが、個人的には受け手側の問題なんじゃないかと思います。噂話で聞くのと、文字として目にするのでは、なんとなく信憑性に差が出るように感じることもありますが、そこはいい加減、目にしているわたしたち自身が、自分の目と頭を使って読み取るべき部分だと思います。それくらい、インターネットでの情報収集が自然になってきているはずですから。

で、で、だから個人に対して具体的な判断を求めているわけじゃないんです。せめて、「情報を得るための努力をしてほしかったな」というだけなんです。桜庭選手にとっても、秋山選手にとっても、そして楽しみにしているひとたちすべての人たちの期待がかかる一戦に携われる立場だからこそ、事前に意図的に情報収集してほしかった。そうすれば、もう少しだけ丁寧なボディチェックがあったんじゃないかな、と思うのです。


今回の事件も、真実はわかりません。すべての人が納得する真実自体、世の中にあるのかわかりません。ただ少しでも無駄な疑心を少なくするために、できることをしたいなと思う年末年始、です。