ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011-
リハビリ中である。だと、思う。
今まで自分が好きだったもの、取り返しがつかないくらい夢中になってきたことを、
こわごわとたどる旅に出ている。
旅の途中である。
チバユウスケの青臭くゆがんだくちびるや、ヒステリックにひきつる片目、馬鹿みたいにタンバリンを打つおしりの線や、前髪の向こうに光る黒目。
ドロップ、鋭くきざまれるギターの冷たさと見据えるまなざしの蒼さ。ガールフレンド
もう音と映像に、ひたすら頭の中を侵食される。
それなのに、一瞬、とても猥雑な記憶がよみがえって愕然とする。
わたしは、その逃げ場を音楽にも、身辺にも求めることができなかったんだと、初めて気がついた。
その小さな境界にこだわってきた自分は、所詮ロッカーにきゃーきゃー言いながらライブを追いかけるような、本質的にアホな女子であることを忘れていた。
開けられた穴を埋めるのに、替わりを求められず内にこもることで穴を埋めたつもりになっていた気がする。
替わりに似たような穴を手近に開けて、相殺することは選んでこなかったんだな、と思った。
どちらがいいのかは分からない。それ以上でも以下でもない。
ただそれが自分の歴史だと思いながら、画面の向こうを見つめている2時間だった。
殴りたいから殴るんだろう。
殺したいから殺すんだろう。
そこに理由はないだろう。
そこに理由はないだろう。
知った上でどの道を選べばいいのか。
旅の途中。