ROCK IN JAPAN 最終日。銀杏に思う

行ってきました。
今年はバスツアーで早めに着いたので、余裕をもって見れました。

サンボマスター
 演奏、MCとも最高でした。周囲で男泣き多数。
 「こんなかで俺が1番どす黒いんだから、今日は自分のことを許してやれ」
 「あなたたちから金とってる俺が1番どす黒い」と。
 演奏する側と聴く側との隔たりと、ライブでの一体感。
 矛盾したこの感じを白日にさらすことでねじ伏せる、山ちゃんってすごいと思いました。
 どの曲もよかったけれど、1番絶叫フレーズは、「欲望という名の獣道」。
 フェスで音楽を聴くと、昨日より今日、今日より明日が素晴らしいことを信じよう、
 そんなふだんなら鼻白む言葉も、素直に受け入れられるから不思議です。

エレカシ
シートエリアでゆるゆるしながら見る。
ものすごくサービス精神あふれるセットリストでした。
「あーしたもがんばろう、愛する人に捧げよう」やっぱりいい曲です。

でもって、銀杏ライブ
一緒にいった銀杏初参戦の男子は、かなり不満が残ったようでした。
がっかりした、と。

わたしは普通に痛くて彼ららしいライブだったなーと思っていたのですが、
今朝、県警に事情徴収のニュースを見たり、Y!トピックスのトップを飾ったりしているのを見ると、何だか急に息苦しくなりました。
こんなニュースになるようなこととは1ミリも思わなかったわたしの常識は、
相当ゆがんでいるのでしょうか。

「これしかできない人」が好きです。
それは昨日のライブでサンボの山口さんがいっていた「切実」みたいなものだと思う。
言葉にできる、できないは別にして、生きている上で、いろんなプレッシャーや閉塞感を感じたり、強い希望を持ったり、それも思うようにいかなかったり。
たくさんある、時に瑣末なそれらのなかでも、ここが進まないとまったく気持ちに整理がつかないようなポイントがあると思ってます。
もうそこを通過しないとどうにもなんない状況。

そしてそれを、わたしは「切実」と呼んでいます。

わたしは、その切実さから逃れられない、
ときには過剰な思い込みに発展してしまうくらいの「業」の深さを持った人が好きです。

性格的にゆるい自分は、すぐに「切実」から目をそらしてしまいます。
シガテラ」で、宗教もない人間が、奇跡を祈るくらいに追い詰められた状況〜的な時にカラオケをして回りを巻き込んですっきりする、てな女子に近いです。
とりあえず物理的に解消、的なだめ生き様です。

だからきっと、どうにもならなくてこうなっている人の作品に、強さや弱さ、極端な力を感じて心動かされるんだと思う。

動かない足、4人の間の瞬間的なテンションでこなしてきているライブ。
時間的な制約、取り囲むいろんな人たちの多種多様な期待感。

自分たちが感じることができる手ごたえや重さが、
彼らにとってはあんな風に全裸をさらしたり、
忠告を遮ってもあの暗い暗い、「人間」という名のプロテストソングをピースフルなフェスにぶちこむことしかなかったんだろう。

峯田君の弾き語りの間がんとして動かず、後半に一気に参戦して盛り上げまくる3人の演奏に、ああ、これが銀杏だなあと思いました。

毎日いっしょに馬鹿をやったり、喧嘩したり、濃い時間を過ごしているメンバーのことくらいしか、感覚的にはわかっちゃいないであろうこと。
その信頼感だけを頼りにああしてステージに立っていること。

まあ、観客なんてどこの誰とも分からない。
あの状況での切実はあれしかなかったとして、全裸の峯田君を見て、不愉快に感じた女の子もたくさんいたんだろうと思うし、ファミリーにも不評だったそうだし、そういう意味でGRASSのライブは、人道的にも、常識的に見ても、まったくもってアウトだったのでしょう。

今回のことで、なぜかわたしも凹んでます(笑)。
この出来事で、銀杏BOYZもいろんなことを知るのでしょう。
社会という大きな存在、「切実」の前に立つ常識。
それを実体験として積み重ね、
少しずつ大人がなんなのかを知っていくのも、ステキなことではないでしょうか。

ZEPP野音とってますが、また延期だったりして。笑。
でもそれはそれでいいや、と思うフェスの翌朝です。